ジャパンライフと政界、マスコミ、
警察の結託…腐った構造
国会が終わった。「桜を見る会」の問題も幕引きだと訳知り顔の講釈が幅を
利かせる中で、それなりにまっとうなメディアは、マルチ商法「ジャパンライフ」の
山口隆祥元会長(77)が招待されていた問題に焦点を当てた報道を試みている。
同社は 例えば 2016年11月、パラリンピック選手の雇用に積極的な“優良企業”として、
スポーツ庁の ヒアリング に招かれていたという。マルチに 政府が“お墨付き”を与えた格好
だった。勿論 実態は悪質だから、翌17年には 消費者庁が4度にわたる業務停止命令
を出すことにもなるのだが、これとて 当局は 早くから被害の状況を承知していながら
あえて対応を遅らせていた可能性が高いのだとか。
政治家では 安倍氏のほか、加藤勝信厚労相や下村博文元文科相との関係が深い。
いかにも アベ政権らしい腐臭で息が詰まりそうだ。
山口の悪徳商法界デビューは、遠く1970年代のこと。米国から上陸してきた
「APOジャパン」「ホリディマジック」などとともに、彼の創設した日本発のマルチ
「ジェッカーチェーン」が社会問題化。詐欺罪で告訴もされたが、同時期に設立した
「ジャパンライフ」に足場を移して“マルチの帝王”なる異名をほしいままにしていく。
私は「プレジデント」の編集者だった 1985~86年頃、彼らの世界に関心を抱いた。
詐欺師が 政治と結託するのは 世の常にせよ、山口氏と自民党のつながりは当時から
他を圧していたことを、今も鮮明に覚えている。
福田赳夫、中曽根康弘、石原慎太郎、平沼赳夫、加藤卓二、羽生田進、森喜朗、
中尾栄一、亀井静香、山口敏夫……。マルチのアガリを食った政治屋どもの名前だ。
一方では、京都府警本部長などを歴任した相川孝を社長に招聘。警察を自家薬籠中
のものとして、元警視総監の下稲葉耕吉が 自民党公認で参院選に出馬した際にも、
組織を挙げた応援で恩を売った。
マスコミでは、テレビ朝日の三浦甲子二専務(故人、元朝日新聞政治部)との関係
が有名だった。最近、やはり元朝日政治部の橘優が顧問に就任していた事実も明らか
になったが、こういう背景も、追及が甘くなる原因なのか。
腐り切った構造は 世代を超えて受け継がれ、発酵を重ねて、ついには汚物そのもの
になり果てた。カネのためなら 誰も彼もが魂までも売り飛ばす。日本は 汚物である。
※ 2018年1月30日 (火) 大西健介 議員 予算委員会 質疑
ジャパンライフ元会長への「桜を見る会」への招待状が送られた件
https://www.youtube.com/watch?v=kbzk4m1t6Sc
https://www.youtube.com/watch?v=WfJpty1WfpU
ビジネス雑誌などを発行する出版社、リベラルタイム出版社の渡辺社長。
加藤大臣と ジャパンライフ の山口元会長が同席することになった勉強会を主催した人物。
いったい、どんな会合だったのか。
リベラルタイム出版社 渡辺社長
「政治家を呼んで、企業人20人ぐらい集めて話を聞く。中華料理店でやっているので
中華料理が出てくる会合」
勉強会が開かれたのは 2017年1月、ホテルの中華料理店。
当時、1億総活躍担当大臣だった加藤氏が政策について語る勉強会。
会費は3万円で、企業の経営者などのなかに、ジャパンライフの山口元会長もいたという。
・・・ しかし、この勉強会が開かれるひと月前の 2016年12月。ジャパンライフは
一部業務停止命令の行政処分を受けている。
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